すみだ水族館で文学の秋にぴったりの、宮沢賢治の童話を世界に入り込んだような幻想的なアート空間が広がる。清川あさみ氏がプロデュース
2017年9月29日(金) 開催
「すみだ水族館」(東京都墨田区)は、2017年9月29日(金)~11月19日(日)まで、アーティスト清川あさみ氏がプロデュースした「Fairy tale in Aquarium~水と幻想の世界~」を開く。【平綿 裕一】
アーティスト清川あさみ氏は写真に刺繍を施す手法など用いて、絵本「銀河鉄道の夜」などの人気作品を発表している。今回は清川氏の演出で館内を絵本の挿絵のように美しい世界観で、幻想的に彩る。「水といきものとのアートが織りなす美しい童話の世界に誘われ、幻想的な空間に描かれるストーリーを楽しんでほしい」(すみだ水族館広報)。
■クラゲ万華鏡トンネルなど、幻想的な世界へ
「クラゲ万華鏡トンネル」は長さ約50㍍のスロープの壁と、天井に約5千枚の鏡を貼りつめた展示エリア。クラゲの水槽や壁面に、銀河鉄道でわたる天の川をイメージした映像を投影。光がきらきらと反射する異世界のような空間に包まれる。高さ約7㍍の吹き抜けのエントランスには、宮沢賢治「やまなし」の世界をイメージし、同氏が今回のために新たに制作したオリジナル映像も登場する。
子供たちの感性を刺激し、想像力が豊かになる宮沢賢治著の童話。これをテーマにした展示や体験プログラムで、子供はもちろん、大人も童心に返り、美しい物語の世界に浸ることができる、文学の秋にぴったりのイベントだ。期間中は、館内のペンギンカフェで、輝く銀河に漂うクラゲをイメージした特別メニューも販売。
清川あきみ氏は「愛らしい個性豊かな生き物たちと美しい空間。どの水槽を見てもいつも新しい発見がある。 自然の幻想的な空間と宮沢賢治が言葉で描いた独創的な描写を、自分自身も表現してみたいし、見てみたいと思いました」とコメントしている。
■「Fairy tale in Aquarium~水と幻想の世界~」概要
展示:宮沢賢治×清川あさみ『Fairy tale in Aquarium~水と幻想の世界~』
展示期間:2017年9月29日(金)~11月19日(日)
展示場所:クラゲ万華鏡トンネル
展示内容:
「銀河鉄道の夜」から、銀河鉄道でわたる天の川をイメージしたトンネルの体感型展示。水晶やトパーズの河原、りんごと薔薇の匂いがする風など、宮沢賢治が言葉で描いた情景を、清川あさみ氏がイメージし、映像化して投影する。約50㍍の鏡張りの空間で、宇宙を漂うクラゲたちを眺めながら、美しい銀河のトンネルをくぐり抜ける。
「蟹の親子と輝く泡」~やまなしより~
展示期間:2017年9月29日(金)~11月19日(日)
展示場所:5階 エントランス
展示内容:
「やまなし」の物語をイメージした高さ約7㍍の映像が投影され、光が差し込む水面を水の底から見上げるような体験ができる。蟹の親子と優しい光、いくつもの輝く泡の世界が広がる。映像は清川あさみ氏が今回のイベントのために新たに制作したオリジナル作品となる。
「クラゲの森」~グスコーブドリの伝記より~
展示期間:2017年9月29日(金)~11月19日(日)
展示場所:6階 クラゲゾーン
展示内容:
モチーフの「グスコーブドリの伝記」は宮沢賢治の代表的な童話の1つ。生前発表された数少ない童話でもあります。作品の中でブドリとネリが暮らした色彩豊かなイーハトーヴの森を、クラゲたちが幻想的に浮遊する。
■イベント体験プログラムとペンギンカフェ概要
「手のひら絵本づくり」
開催期間:2017年9月29日(金)~11月19日(日)
開催場所:5階 アクアアカデミー
開催時間:各日午前11:00~午後4:00(最終受付は午後3:30) ※期間中の土日曜日は午前10:00~午後4:00。11月10日(金)、 11日(土)、 12日(日)は非開催。
参加定員:各日150人 ※定員になり次第終了。
開催内容:
手のひらサイズの可愛らしい自分だけの童話絵本が作れる。同館は「想像を膨らませて、空いているページに色をぬったり文章を書いたりして、オリジナルのミニ絵本を完成させましょう」とコメントしている。
「ペンギンカフェ」銀河系スイーツプレート
販売期間:2017年9月29日(金)~11月19日(日)
販売時間:終日
販売場所:5階 ペンギンカフェ
販売価格:650円(税込)
販売内容:
銀河を漂うクラゲをイメージした期間限定のオリジナルメニュー。白いクラゲのようにふわふわとしたモンブランが、星くずを散りばめた銀河のような美しいベリーソースに浮かんでいる。
「ペンギンカフェ」Fairy taleソーダ
販売期間:2017年9月29日(金)~11月19日(日)
販売時間:終日
販売場所:5階 ペンギンカフェ
販売価格:600円(税込)
販売内容:クラゲのような綿あめが乗ったオリジナルソーダ。刺繍アートで使われている色とりどりのスパンコールやビーズをイメージしたカラフルなゼリーのボールが、梨のソーダに入っている。
■清川あきみ氏プロフィール
日本、淡路島生まれ。 2001年初個展。 2003年から写真に刺繍を施す手法を用いた作品制作を開始し、独特な世界観を打ち出しさまざまな賞を受賞。2011年、水戸芸術館にて個展開催の最年少記録を樹立。 翌年、東京の表参道ヒルズにて「美女採集」展を開催し最多動員数を記録するなど、展覧会を全国で多数開催。代表作に「美女採集」や「Complex」シリーズなどがある。
絵本や作品集など著書も多数あり、作家谷川俊太郎氏との共作絵本「かみさまはいる いない?」が2年に1度のコングレス(児童書の世界大会)の日本代表に選出。2016年にはNHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」のオープ二ング映像、ポスターヴィジュアルを手掛けるなど、さまざまな広告のアートディレクターとしても注目されている。
■すみだ水族館 施設概要
開業日:2012年5月22日(火)
所在地:東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン・ソラマチ5,6F
営業時間:午前9:00~午後9:00まで
休館日:なし(年中無休)※水族館のメンテナンスやイベントなどで臨時休業有
公式HP: http://www.sumida-aquarium.com/
一般料金:大人2050円、高校生1500円、中・小学生1千円、幼児(3歳以上)600円 ※すべて税込
館長:名倉寿一