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楽天LIFULL STAYが途家(トゥージア)と提携 中国本土最大手の民泊プラットフォーマーとともに、民泊市場の拡大狙う 「日本途家」の日本市場ビジネス戦略も 楽天✕途家(トゥージア tujia)

2017年8月2日(水) 発信【詳説】

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楽天LFULL STAY(太田宗克社長)は8月2日(水)、中国本土で民泊プラットフォーマーを担う「途家(トゥージア)」との提携を正式に発表した。国内で管理する物件を、「途家」のWebサイトに掲載。中国人観光客の取り込みをはかる構えだ。(写真、左から途家の楊昌楽COOと、日本途家の鈴木智子代表、楽天LIFULLSTAYの太田宗克社長)【謝 谷楓】

 

 途家(トゥージア)の日本市場ビジネス戦略発表会での提携発表となった今回。楽天LIFULL STAYの太田社長のほか、途家の楊昌楽(ヤン チャンルー)COOと日本途家の鈴木智子代表も出席した。

途家の日本戦略について

 冒頭あいさつで楊COOは、「途家のプラットフォーム(Webサイト)での登録物件数は、国内外合わせて50万件を突破している。中国政府との関係はもちろん、各地域の指導層との関係も良好だ。中国国内での競争力は非常に高い」と語り、中国本土における民泊分野での影響力について強調した。70カ国、1,100都市で登録物件を持ち、中国と日本以外でも、韓国やタイ、マレーシア、シンガポールインドネシアに拠点を有する。

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△途家(トゥージア)の楊昌楽COO

  同社では現在、民泊仲介プラットフォーム(Webサイト)である「tujia.com」の運営に代表されるオンライン事業以外にも、水道や、電気などの遠隔ロックを実現するなど、オフライン事業の分野でも、民泊の普及とマーケット拡大に注力している。

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△会見で示された、途家(トゥージア)の戦略。楊COOは、「民泊分野の発展のためには、ゲストとホスト双方の利益を確保できるようにしていかなくてはならない」と語っており、民泊や地域の文化や慣習に根付いた施策で、民泊を巡るステークホルダーの利益や満足度を追求していく。なお、ゲストである旅行者向けの保険制度なども完備しており、トラブルの解決対策にも注力していると強調した。

 日本をはじめとした海外戦略については、「民泊ニーズがあるのであれば、地域問わずサービスを提供していきたい」と積極的な姿勢。とくに日本市場では、中国人観光客をターゲットに据え、日本における民泊の実情を踏まえたうえでビジネスパートナーの選定やサービス提供をしていく。「海外現地の法令を遵守したうえでサービスを展開し、パートナーと共栄関係を築いていきたい」と力を込める。

 日本での目下のターニングポイントとしては、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行と2020年の東京オリンピックパラリンピックの開催を挙げた。

2020年に250億円。訪日中国人観光客の民泊市場シェア50%狙う

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△日本途家の鈴木智子代表。マーケットシェアの拡大や、知名度向上など、日本市場で抱える課題解決に意欲を示した。

 日本での具体的な戦略について説明したのは、日本途家の鈴木智子代表。2016年4月に設立された日本法人の使命として、「中国人観光客による民泊利用の普及と、日本の魅力を中国本土に発信すること」を挙げた。

 マーケットシェアの拡大を狙う施策としては、管理・代行会社との連携強化や、ホスト向けセミナーの開催、掲載施設の増加を挙げた。今後、ゲストのサポート体制も強化すべく、とくに中国人観光客の利用者が多い大阪エリアに支店を開設する予定だ。また、直営管理によるサービスの均一化も目指し、予約管理の簡易化や清掃作業など、運営面での取り組みにも力を入れる。

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 2016年の訪日中国人観光客数は約637万人。政府目標である1,000万人(2020年)と連動し、民泊の市場規模も増加すると予測する同社。2020年の中国人観光客による民泊市場規模は500億円、2025年は625億と見込む。同社ではこのうち、それぞれの約半分にあたる250億円(2020年)を中期目標に、300億円(2025年)のシェア獲得を長期目標に据える。

 需要を取り込むための具体策として挙げたのが、東京や大阪、京都以外の地域への誘客。「Youku.com」など、中国で普及する動画配信サービスやSNS(交流サイト)でのコンテンツ提供を通じ、日本のディープな魅力発信に努め、渡航者増加を狙う。

中国本土での販売を実現 アジアからのインバウンド強化を狙う

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楽天LIFULL STAYの太田宗克社長
 6月22日(木)の設立会見以降、ホームアウェイ(奈津子日本支社長)やアジアヨー(鄭兆剛CEO、台北市)との提携を相次いで発表してきた楽天LIFULL STAY。日本でナンバーワンの民泊プラットフォーマー(仲介会社)となることを目標に、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行に合わせた業務開始に向け、着実に準備を進めている。
 途家(トゥージア)との提携について、太田社長は、「途家(トゥージア)とはビジネスモデルが近く、良いパートナーとなりうる。物件を提供するだけでなく、途家が持つデータを活用して中国人観光客のニーズを把握し、求められるサービスを提供していきたい」と語った。

 インバウンド事業での連携が注目されているが、将来的には日本人観光客と中国での民泊物件のマッチングも想定しており、双方向交流の促進についても意欲を示した。

 住宅宿泊事業法(民泊新法)における180日の営業制限について改めて問われたところ、「現在、地域に眠る空き家は維持するだけでも大変なコストがかかっており、民泊物件として利用されれば、たとえ180日の規制があってもメリットは期待できるはずだ」とした上で、「都市における投資型物件は厳しいかもしれない。マンスリーとの併用など、エリアの需要にあった展開が必要」と続けた。物件のオーナーのニーズに適う提案を通じ、民泊市場の拡大を狙う。

途家(トゥージア)創業者、罗军(Justin Luo)CEOによるビデオ挨拶

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