フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」 ルブラン編集長による巻頭言と、特集・家族の物語を掲載
2017年6月20日（火） 発信
本紙は6月21日号から、フランスの日本専門情報誌「ＺＯＯＭＪＡＰＯＮ（ズーム・ジャポン）」最新号の特集記事の翻訳に加え、「現地編集部」発の最新動向や、トピックスを発信する。今回は記念すべき第一回目。毎月21日発行号に掲載。本紙の一部購入と購読は、下記申し込みフォームまで。
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■6月号 巻頭言 by クロード・ルブラン ZOOM JAPON編集長
クロード・ルブラン ZOOM JAPON編集長
フランスでは今年5月、世界が注目するカンヌ国際映画祭が70周年を迎えました。その熱気冷めやらぬ6月、創刊8年目に入る「ZOOM JAPON」（71号）では、「家族」をテーマにした日本映画を特集しています。これまで、小津安二郎から是枝裕和まで、幾多の映画人が名作を残してきましたが、今号では、最新作で現代家族のあり方を描いた深田晃司、矢口史靖、神山健治ら3氏にお話を伺いました。彼らの視点を通して、進化する日本の家族の姿を探ります。同時にこれらの作品が、より多くの映画ファンの目に触れることを期待しています。
■ZOOM JAPON 71号 表紙
■特集 家族の物語（抄訳）
海外で知られている日本映画といえば、サムライ映画や、ホラー映画、怪獣映画が中心だ。人気のジャンルはその時代によって異なるが、激動の1960年代を除いて、常に人気があるジャンルがある。それが家族ものだ。
「小市民映画」と呼ばれたそれらの作品の中には、巨匠たちが手掛けた傑作が多々ある。壮大なドラマも時にはあるが、大抵のストーリーは穏やかで派手な展開がない。共通して見られる特徴は、ミニマリストな手法、ディテールへのこだわり、そして洗練された芝居だ。
例を挙げるときりがないが、小津安二郎の「父ありき」（1942）、山田洋次の「家族」（1970）、森田芳光の「家族ゲーム」（1983）、三池崇史の「ビジターQ」（2001）、河瀬直美の「沙羅双樹」（2003）、黒沢清の「東京ソナタ」（2008）、SABUの「うさぎドロップ」（2011）など、素晴らしい作品が数多く存在する。限られた記事で1世紀以上の映画史をまとめるのは不可能で、小津安二郎の映画を語るだけでも終わってしまう。ならば、小津安二郎と近年の日本映画を代表するであろう是枝裕和を比較することもできたかもしれない。
しかし今号では、あえて「東京物語」（1953）や1950年代の作品には触れず、高度成長期や、バブル景気時とその崩壊を経た日本社会の変遷とともに進化した家族のあり方を描いた作品を取り上げ、その多様性に着目した。
フランス版「淵に立つ」（深田晃司監督、発売中）DVD
フランス版「ひるね姫」（神山健治監督、7月12日フランス公開）ポスター
■ズーム・ジャポン 編集部発 最新レポート「フランスでは、KIMONO、JUDOの次は、“BENTO”」
シェフの立花剛さん
フランス、とくにパリでは20年以上も前から、日本人を主な顧客としたお弁当屋さんがありますが、ここ数年の健康食ブームなどもあって、今や「弁当」はフランス人にも大人気です。店も増え、「Bento」がフランス語の辞書にも載るようになりました。
パリのレピュブリック広場近くにオープンして1年になる「Bento&Go!」は、もともとはフランス料理のシェフがオーナーお店。
シェフの立花剛さん（34歳）＝写真＝は、いつでもどこでも食べられ、一つの箱でバランスがとれた食事ができる弁当の色々な可能性を拡げようと、パリで日々、新しいBENTOづくりに挑戦しています。〈ZOOM編集部〉
■ZOOM JAPON 公式ホームページ
