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東急電鉄が池上線沿線を活性化させる「生活名所」プロジェクト開始!開通90周年特別イベントで、10月9日(月・祝)は池上線が1日無料で乗り放題!

2017年9月6日(水)、10月9日(月・祝) プロジェクト&キャンペーン

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東京急行電鉄は2017年9月6日(金)から、東京都の五反田・蒲田駅を結ぶ池上線沿線の魅力発信と、誘客を目指し「生活名所」プロジェクトを始めた。この一環で10月9日(月・祝)に体験型イベントや開通90周年記念イベントも行う。(画像はイメージ(戸越銀座駅))【平綿 裕一】

 

 「生活名所」プロジェクトは、池上線の魅力を「人々のつながりや温もりを感じる場所など、生活に根付いたもの」と定義。池上線沿線の住民らと手を組んで、地域活性化へ“まちづくり”を進めていく。10月9日(月・祝)には首都圏の鉄道会社で初めて、電車を1日無料で利用できるイベントを行うなど、力を入れる。

人情感や下町情緒あふれる池上線。「生活名所」プロジェクトを開始

 

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池上線沿線の魅力を多くの人に伝え、来訪を目指す

 池上線は全長10・9㌔の路線。地元住民から愛される商店街や豊かな自然、歴史・名所史跡などがある。都心にありながら人情観や下町情緒にあふれ、独自の魅力をもった路線だ。ただ、少子高齢化がすすみ、東急線沿線の中でも、高い高齢化率が課題となっている地域。

 今回のプロジェクトは、池上線が通る品川区・大田区などの行政機関、地元商店街や、沿線住民、企業と連携し、池上沿線ならではの地域資源を「生活名所」候補として15カ所選定し、9月6日(水)から専用Webサイトや池上線各駅でポスターを貼付するなど、広く周知。沿線活性化に力を入れる。

 10月9日(月・祝)に、街めぐりなどのTV番組でおなじみの松田法子氏による「池上線地形セミナー&ツアー」や、グルメツアー、「生活名所」を巡るイベントをはじめ、さまざまなイベントを開催。同日には、フリー乗車券があれば、無料で池上線に乗れる「開通90周年記念イベント 10月9日池上線フリー乗車デー」も実施する。

「生活名所」プロジェクト概要

 商店街をはじめとした地域の住民や、品川区、大田区などの行政関係者と共に池上線の魅力を考え、つくり、実践する“まちづくり”プロジェクト。地元関係者らへヒアリングや調査を行い、両区とともに、池上線の魅力を「人々のつながりや温もりを感じる場所など、生活に根付いたもの」と結論した。

 ブランドコンセプトは、①人の暮らしに根付いている“ヒューマンスケール”②作り手を感じられること“クラフトマンシップ”③つながりをつくっていること“コミュニティ”④だれでもウエルカムであること“オープンマインド”⑤地域を愛し、地域に愛されていること“ローカル”の5項目。該当するものを「生活名所」として、魅力を継続的に発信していく。

 今回は15カ所を「生活名所」候補に選定。今後は公募など、地域の声を聞きながら、地元有識者や行政関係者と協議を行い、増やしていく予定。(※下記に候補の詳細)

「開通90周年 10月9日池上線フリー乗車デー」の実施

 10月9日(月・祝)に池上線内が無料で乗り放題となるイベントだ。同日に行われる、「生活名所」ツアーなどのさまざまなイベントに来てもらえるよう、池上線全線で乗り降り自由な「1日フリー乗車券」を配っている。電車を1日無料で利用できるのは、首都圏の鉄道会社で初めての取り組み。

 注意点は、「1日フリー乗車券」がないと無料にはならず、配布は1人1枚。配布は改札付近で行う。池上線以外の駅で降りる場合は、改札窓口で生産が必要となる。また、五反田駅で、JR山手線から東急池上線に乗り換える場合は、一度改札を出て、「1日フリー乗車券」を受け取る必要がある。

10月9日(月・祝)当日の「生活名所」ツアーと座ってみようプロジェクト

 池上線「生活名所」ツアーでは、沿線上の「生活名所」や魅力的なスポットを巡る。同ツアーは東京観光財団の「地域資源発掘型実証プログラム」の一環で実施する。ツアーコースの設計は、地元タウン誌の「街の手帖 池上線」が監修。6種類のツアーを用意した。受付は専用Webサイト(seikatsumeisho.com)まで。なお、同ツアーは11月と12月にも行う予定。(※コース概要は下記)

 座ってみようプロジェクトでは、各「生活名所」や池上線の魅力的な場所に座って楽しんでもらうことが目的。戸越銀座で長年家具作りを営む老舗の「ミネルバ」の協力の下、沿線住民らが一緒になってベンチを創作し、増やしていくプロジェクトだ。(運営・企画協力:日本ベンチ協会)

 その他のイベントは詳細が決定次第、Webサイト(seikatsumeisho.com)に公開する。

池上線「生活名所」ツアー<コース概要>

①1駅1皿で巡る レストラン池上線
前菜からデザートまで、池上線沿線の「自慢の一品」をお店ごとに味わい、フルコース料理として楽しめるコースを和食、洋食、プレミアムの3種類ご用意。

②写真好きのための 絵になる池上線
CMやドラマのロケ地によく使われる坂道から風光明媚な池まで、沿線屈指のフォトジェニックなスポットを巡る。

③夜の池上線を満喫 マニアックナイト
地元住民に人気の希少な日本酒をそろえた居酒屋や個性あふれる人が集うスナックなど、友人に教えたくなる池上線の夜のスポットを巡る。

④大人の自由研究 アートな池上線
沿線で事業を営む腕利きの家具職人の工房見学や、美しい江戸切り絵の体験など、歴史や伝統、文化を肌で感じられる。

⑤水景、谷景、生活景 歩いて座って学ぶ旅(※)
地形や地域史に関心のある人向けのツアー。TVの街めぐり情報番組でもおなじみで、都市史・生活文化論を専門とする松田法子氏が案内。(運営・企画協力:日本ベンチ協会)

⑥鉄ちゃん集まれ ディープ池上線潜入
ホーム直下を走る新幹線や地上4階の高さにある駅、普段は絶対に入れない検車区など、鉄道ファンが楽しめるスポットを巡る。

※講師プロフィール
松田法子(まつだ のりこ)
京都府立大学大学院生命環境科学研究科専任講師。建築史・都市史・地域史。
都市や建築のフィールドワークを、地形・地質・水系・地域史などを複合させた広域なエリアスタディとの往還として取り組む。近年は「地質からみる都市と集落」、「汀の人文史」、領域史などをテーマに活動している。

「生活名所」候補の詳細

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※4「街のお助け隊コンシェルジュ」(荏原中延)。困りごとのある高齢者を、元気な高齢者がサポートしている団体。人と人とのコミュニティ、つながりで人も街も元気になるという仕組みで、最近では海外からも取材がくる注目の取り組み。

※5「沖田精米」(旗の台)。大正時代から続く老舗の米屋。店内では、手づくりの惣菜やせいろで蒸した赤飯なども販売している。雑穀エキスパートが信頼する農家から直接仕入れて品質管理を行っている。米をおいしく食べてもらいたい作り手の気持ち、クラフトマンシップが感じられる老舗。

※8「雪見坂」(石川台)。かつて富士山頂の雪がよく見えたことから、「雪見坂」と名付けられた。晴れた日は、夕日と一緒に富士山が望める場所。CMやドラマの撮影場所にも使われている。「こういった、ローカルの良さ、街の中に溶け込んでいる何気ない風景、心休まるスポットも大切にしていく」(同社)。

※10「東調布公園」(御嶽山)。地元の子供たちが、遊びに夢中になれる場所。野球やサッカーを楽しめる広場、プールや遊具、蒸気機関車、ゴーカートに乗れるスペースもある。このような地元の暮らしに根付いている、ヒューマンスケールな場所にも焦点を当てた。

※11「山口文象自邸(CROSS CLUB)」(久が原)。日本近代建築をリードした山口文象氏の自邸。レンガと瓦屋根の外観が特徴的だ。「この家を人が交流するサロンにしたい」との山口氏の思いを受け継いだ息子夫妻が、ピアノコンサートや音楽セミナーを開催。誰でも集まれる場所を守り続けている。文化的で、歴史を感じる施設であるが、誰でも受け入れる、オープンマインドの施設。