フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」7月号 ルブラン編集長による巻頭言と、特集・オタキズムの聖地にて
2017年7月24日(月) 発信
本紙は6月21日号から、フランスの日本専門情報誌「ZOOMJAPON(ズーム・ジャポン)」最新号の特集記事の翻訳に加え、「現地編集部」発の最新動向や、トピックスを発信している。今回は2回目。毎月21日発行号に掲載。本紙の一部購入と購読は、下記申し込みフォームまで。(次号は現地休暇に伴いお休みとなります)
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■7月号 巻頭言 by クロード・ルブラン ZOOM JAPON編集長
クロード・ルブラン ZOOM JAPON編集長
多くの外国人が日本独自のポップカルチャーに惹かれ、日本を訪れています。マンガ、アニメ、J-POPなどに触発された世界中の人々が、その文化を生んだ日本という国に強い興味を抱き、秋葉原や原宿、渋谷など、“ポップカルチャーの聖地”に赴くのも、もはや珍しいことではありません。それどころか、そうした趣味が高じて日本に住むことを決意し、自分の情熱を職業にする人たちさえいます。今月号は、そのような人たちに会いに行き、「オタキズム」の聖地での暮らしを取材しました。
■〈特集〉「オタキズムの聖地にて」(抄訳)
イタリア人の翻訳家シモーナ・スタンザーニさんは4半世紀のキャリアの持ち主。
オタク文化、あるいは「オタキズム」(日本のポップカルチャーに関連するさまざまな要素の総称)の人気は、かつてない勢いで世界を席巻している。アマチュアも含めた多くの翻訳家たちの膨大な仕事のお陰で、マンガやアニメが大量に流布され、ネット上には多くのコミュニティが存在し、多くの国々で同人誌が発行されている。コスプレイベントも盛況だ。そんなカルチャーへの情熱から日本語を学ぶ人もいれば、さらに感化され「オタキズム」の聖地に住んで、趣味を職業にしようとする人もいる。しかし、文化的・社会的に異なる国での生活は、そう簡単ではない。
アニメの制作会社で働くアメリカ人は1日10時間、週6日労働、しかも最低賃金以下という「仕事地獄」を生きる。独立系のゲーム制作会社を立ち上げた外国人は、日本企業の融通のきかなさに辟易している。マンガ業界はさらに労働条件が過酷だが、ブログでの作品公開から始め、日本で出版までこぎつけたスウェーデン人やイタリア人のマンガ家もいる。過労でも病気にもならず、独立してアニメ制作会社を立ち上げたアメリカ人や、アイドルを目指す女性もいる。新幹線の英語の車内アナウンスや、声優・ナレーター、さらにはシンガーソングライターでありながら、マネジメント事務所を運営するオーストラリア人もいる。
日本のオタキズム業界で生きるのは容易ではない。しかし才能とやる気さえあれば、成功も不可能ではないのだ。
■ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート 存在感増すパリの日本建築
セーヌ川、セガン島の音楽総合施設「ラ・セーヌ・ミュージカル」
1867年のパリ万博に、檜造りの日本家屋が出展されたのが、フランス初の日本建築だといわれています。それから今年で150年。パリのラルスナル建築博物館では〈パリの日本建築1867―2017〉展が始まり、9月にはフランス北東部メッスのポンピドゥ・センターで、戦後の日本建築をテーマにした展覧会が開催されます。
この4月、セーヌ川の島に坂茂氏設計の音楽総合施設が オープンしましたが、パリ市を含むイル・ド・フランス地域圏では現在壮大な再開発計画が進行中で、そこでも10数件、日本の建築家によるプロジェクトが採用されています。日本の建築がますます存在感を増していきそうです。〈ZOOM編集部〉
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